こんにちは。
昨日、土曜日は暖かく、春のような日和でしたね。
お正月から大変な出来事ばかりで、気持ちも落ち込んでいましたが、街で梅の花や菜の花が売られているの見て、少しほぐれたような気がします。
春の七草というと、百人一首にもある光孝天皇の歌「君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ」の一首を思い出します。
中学生の時に、クラス対抗の百人一首大会があったのですが、当時私は古文が苦手で、一首しか覚えられませんでした。冬休み明けの大会で、唯一取れた札、それが唯一覚えられた上記の歌だったのです。
この歌はなぜか、私にも情景がすうっと思い浮かべられ、素敵な歌だなと感じたことを覚えています。
もちろん、寒い雪の中、若菜を摘んだことはありませんが、白い雪と若菜の緑、冷たい指先で摘み取る感覚、大切な人を想う気持ちなど、想像して美しいと思ったのです。
そんな想像をしながら、七草粥を作ります。真っ白いお粥に鮮やかな春の七草が綺麗です。かじかむ指で七草を摘まなくても、現在はスーパーマーケットなどで、七草の詰め合わせを買うことができ、手軽に季節を感じられます。
せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ。
七草は塩を少し入れて茹でて刻み、炊飯器に作ってもらったお粥にのせるだけです。
とても簡単にできてしまいます。
七草を洗う時だけ、冷たい水に手を濡らし、少しだけ「君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ」の気持ちを味わいます。
便利な生活を送れることに感謝しつつ、無病息災を祈っていただきます。
毎年、この季節になると、冷たい風の中にも春が近づいているような気がするのです。
優しい春が、あたたかい春が、訪れることを願っております。